公的健保組合のBarmer GEKは6月26日、加入者に処方されている医薬品に関する実態調査レポートを発表した。それによると、女性加入者100人当たりの処方件数は昨年937件で、男性(同763件)の1.22倍に上った。男性との差が特に大きいのは向精神薬で、抗うつ薬(三環系・四環系)の処方件数は3倍、セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)でも同2.8倍に上った(グラフ参照)。
\加入者100人当たりの処方薬コストは男性が4万1,100ユーロで、女性はこれを9.3%上回る4万4,900ユーロだった。処方件数に比べて差が小さく、女性の方が処方当たり薬剤費は低いことが分かる。
\想定薬物1日容量(DDD=defined daily doses)は男性が486単位、女性が540単位で、10年前(男性295単位、女性441単位)に比べ差が縮まった。2004年の医療改革で一般薬のほとんどが処方薬から外され患者の全額自己負担になったことのほか、更年期障害の女性に対し「加齢による自然の現象」としてホルモン剤などを安易に処方しない医師が増えたことなどが背景にあるという。
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