ファッション通販サイト大手のZalando(ベルリン)は20日、2011年通期売上高が5億1,000万ユーロとなり、前年の3倍以上に拡大したと発表した。同社は08年末の設立で、09年売上高は600万ユーロ、10年は1億5,000万ユーロと破竹の勢いで成長。わずか3年でファッション通販業界の国内最大手に浮上した。同社が売上高を公表したのは今回が初めて。利益は明らかにしていない。
\Zalandoはドイツのほかオーストリア、スイス、オランダ、フランスなど欧州12カ国で事業を展開する。売上高に占める国外の割合は50%に達する。
\同社は「ネット通販には不向き」とされていた靴の販売でスタートした。ためし履きできない弱点をカバーするため、送料・返品無料のサービスを打ち出したほか、受け取り方や決済方法の多様化など顧客の利便性を徹底的に追求。これがユーザーの支持につながり、急成長を遂げた。事業の拡大にともない衣料品、アクセサリーなど取り扱う商品の幅を拡大していき、現在では靴以外の売り上げが半分以上を占めるという。
\『フランクフルター・アルゲマイネ』紙によると、Zalandoは「社内全体の付加価値形成プロセスを明確に把握するため」取引処理やリソース管理などのITシステムを外部委託しない方針だ。同社のIT部門は250人のスタッフを擁しており、プログラミングから業務管理システム構築までを自前で手がける。ゲンツ社長は「我々は単なるファッション小売業者ではない。インターネット企業でもあり、技術志向型の企業でもある」と述べ、競争力の高さに自信を示した。
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