製薬大手の独Bayer(レバークーゼン)が臨床試験の第1段階に当たる「フェーズ1」事業のアウトソーシングを検討している。経済紙『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版、FTD)』が19日付で報じ、同社が追認した。年末までに最終決定する。
\市販までに必要な治験にはフェーズ1からフェーズ3までの3段階がある。フェーズ2とフェーズ3は患者を対象とするため医師が関与するのに対し、フェーズ1は健常成人を対象に製薬会社が単独で実施する。
\FTD紙によると、Bayerはフェーズ1事業のアウトソーシングに向けて計10社と協議し、すでに委託先候補を2社に絞り込んだ。アウトソーソングを決定した場合は、フェーズ1を手がけるベルリンとヴッパータールの2拠点の運営を委託先に委任。両拠点の従業員あわせて25人は委託先に移籍する。
\製薬業界ではコスト削減に向けてフェーズ1を外部に委ねる動きが強まっており、独Merckはすでに医薬品開発業務受託機関(CRO)への委託に踏み切った。一方、Boehringer Ingelheimはコストや時間の節約効果は小さいとして、自前路線を堅持している。
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