リーマンショック後に急減した官民連携方式(PPP)のインフラプロジェクトの需要が現在も低迷している。銀行・建設会社などの民間企業が収益性を懸念して投資に消極的になっているためで、今年に入ってドイツで締結されたPPPプロジェクトは4件にとどまる。ただ、2013~14年の実施を目指して計画中のプロジェクトは100件に上っており、PPPプロジェクトの管理・あっせんを手がけるOePP Deutschlandは、来年以降に件数が上向くと期待している。『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じた。
\FAZ紙によると、02年からこれまでにPPP方式で実施された公共施設(病院、学校、行政施設など)の建設プロジェクトは165件で、投資総額は49億ユーロに上った。道路インフラプロジェクトではそれぞれ15件、24億ユーロとなっている。
\OePPの関係者は、民間資金を活用する最大の利点として「資金を速やかに調達できるため、プロジェクトの進行スピードが速い」ことを指摘した。また、民間のノウハウを活用できるため、国や自治体が全てを管理する通常の公共プロジェクトに比べ運営・維持管理などの面で優れていることも少なくないという。ただ、民間資金を活用してもプロジェクト費用が大きく低減することはないため、過剰な期待は禁物としている。
\民間の出資を促進するためには、PPP制度の柔軟運用が必要と指摘。企画から資金調達、建設、運営までをすべて民間企業に委ねる従来の方式から、民間と自治体がそれぞれ得意な分野で分業し、民間の負担を軽くすることなどが考えられるとしている。
\OePP DeutschlandはPPP方式のインフラ整備事業を促進する目的で08年に設立された。国・州・自治体が57%、民間企業が43%をそれぞれ出資している。
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