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2013/1/2

経済産業情報

独・ポーランドの送電事業者が調相設備設置へ

この記事の要約

独東部の送電網を運営する50Hertzは12月22日、ポーランド同業PSEと共同で両国間に調相設備を設置することで合意したと発表した。ドイツの風力発電パークで生産された電力がポーランドの送電網に流れ込み、同国電力網の安定 […]

独東部の送電網を運営する50Hertzは12月22日、ポーランド同業PSEと共同で両国間に調相設備を設置することで合意したと発表した。ドイツの風力発電パークで生産された電力がポーランドの送電網に流れ込み、同国電力網の安定性を損ない始めている自体に対応する狙い。50Hertzは同様の契約をチェコ同業のCepsとも締結する意向だ。

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ドイツは福島原発事故を受けて2011年、再生可能エネルギーの普及を加速させる「エネルギー転換政策」を開始した。これに伴い風力や太陽光発電施設の建設が大きく増加している。

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再可エネ発電では発電量が天候に大きく左右される。風力発電の場合は強風が吹くと発電量が過剰になり、余った電力がポーランドなど周辺諸国に自動的に送電されている。

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この結果、周辺諸国では送電網の安定性を維持するために国内発電所の稼働を急きょ、停止しなければならない事態に追い込まれる。これはコスト的にも負担が大きいため、ポーランドやチェコ政府はドイツ政府に対応を求めていた。

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50HertzとPSEはそれぞれ8,000万ユーロを投じて、ドイツとポーランドを結ぶ送電網(2本)の国境地帯に電力の流れを調整する調相設備を設置。16年から稼働させる予定だ。

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