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2013/1/9

総合 - ドイツ経済ニュース

生産年齢人口減少見込み企業は人材確保へ

この記事の要約

ドイツ国内で雇用を拡大する動きは縮小する動きをなお上回っているもようだ。『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙の調査によると、2012年に予告された新規採用(100人以上が対象)の規模は合わせて9万6,000人に […]

ドイツ国内で雇用を拡大する動きは縮小する動きをなお上回っているもようだ。『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙の調査によると、2012年に予告された新規採用(100人以上が対象)の規模は合わせて9万6,000人に達し、前年の8万9,000人から7,000人増加。削減予告も3万2,000人から8万3,000人に増えたものの、雇用規模は差し引きで1万3,000人増える計算だ。

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景気が減速しているにもかかわらず、雇用拡大の動きが続いている理由として同紙は、生産年齢人口の減少が今後、一段と厳しくなる見通しを指摘する。調査会社Prognos AGによると、専門人材の不足数は2020年までに170万人へと拡大。エンジニアの空きポスト数は11万2,000人に達し、同ポスト全体の6分の1を占めるに至るという。大卒者についても64万人の不足が見込まれる。

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一方、欧州債務危機はドイツの人材不足の緩和にある程度、寄与するとみられている。高失業率に直面する財政悪化国からの人材流入が長期的に続くと予想されるためだ。これらの国ではすでにドイツ語の学習熱が高まっているうえ、ドイツ企業も採用活動を展開している。

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12年の新規採用の予告規模が最も大きかったのはこれまで同様、人材派遣で、1位から4位を占めた。自動車メーカー(部品を含む)も採用を拡大。トップ15にはフォルクスワーゲン(VW)、BMW、ボッシュ、ZFフリードリヒスハーフェン、アウディの5社が入った。

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人員削減では経営破たんしたドラッグストア大手シュレッカーがダントツで多く、2万5,000人を記録した。同じく倒産した通販大手ネッカーマンも3,300人に上っている。

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