スイスの大手銀行Credit Suisse(チューリヒ)は10日、上場投資信託(ETF)事業を資産運用世界最大手の米Blackrockに売却すると発表した。銀行の自己資本規制強化を踏まえ財務基盤を強化する狙い。取引金額は明らかにしていない。取引の成立に必要な当局の承認は6月末までに下りる見通しという。
\ETFは株価指数などの指標に連動する投資信託で、少額の資金でも投資を行える手軽さがある。ただ、手数料が低いため、ETFの規模が大きくないと運用事業者は高い利益を確保できない。
\欧州のETF市場ではBlackrockがシェア38.1%(2012年末)でダントツの1位。2位以下はDeutsche Bank(同13.7%)、Societe Generale(11.5%)、ETF Securities(6.6%)、Credit Suisse(4.8%)が続く。上位5社のシェアは計74.7%で、残り34社は同25.3%にとどまる。
\Credit Suisseは昨夏、収益性の悪い事業からの撤退方針を打ち出した。欧州ETF市場では5位に付けているものの、収益性が低いため、保有するETFファンド58本をBlackrockに譲渡する。
\