ドイツ連邦統計局が18日発表した2012年の中国向け輸出高は666億ユーロに達した。中国経済の減速を受けて伸び率は前年の20.6%から2.7%へと大幅に縮小したもののプラス成長を確保。輸入高が同2.8%減の773億ユーロに後退したことから、貿易赤字は27.1%減の107億ユーロへと大きく縮小した。同赤字の減少は2年連続。(下の表を参照)
\輸出高全体に占める中国向けの割合は6.1%で、上から5番目に付けた。中国からの輸入は同8.5%で2位に付けている。
\中国向け輸出額に占めるシェアが最も高い製品は自動車・自動車部品で、29.0%(金額193億ユーロ)に達した。これに機械が25.3%(同169億ユーロ)続く。3位は情報・電子・光学機器(シェア8.8%)、4位は電気設備(同8.7%)、5位は化学(6.2%)で、1~5位の製品群が全体に占める割合は78.0%に上った。
\中国からの輸入では情報・電子・光学機器が35.6%(金額275億ユーロ)でダントツの1位。2位は衣料品(シェア10.4%)、3位は電気設備(同10.1%)、4位は機械(7.7%)、5位は金属製品(4.3%)で、1~5位の製品群は全体の68.0%を占めた。
\中国向け輸出総額は1995~2012年の18年間に年率15.8%のスピードで拡大し、輸出全体の伸び率(6.4%)を大きく上回った。中国からの輸入成長率も同14.1%と高く、輸入全体の成長率(6.0%)を大幅に超えている。
\ \「独製機械は中国製造業のカギ」
\ \一方、ベルテルスマン財団の委託で調査機関Prognosが作成した独中の経済関係に関する調査レポートによると、両国の相互依存性は過去20年間で大幅に高まった。ドイツ製の機械が中国製造業のカギを握るのに対し、中国はドイツ最大の消費財供給元国に成長。オフィス機器・コンピューター・ラップトップの輸入額に占める中国製品の割合は1992年の1%未満から約44%へと拡大した。繊維製品でも7%弱から31%強に増えている。
\ただ、経済の質的な面では中国の方がドイツにより強く依存しているようだ。ドイツが中国から輸入する消費財は他の国からでも調達できるのに対し、中国がドイツから輸入する特殊機能を持つ高性能な機械は他の国から調達するのが難しいため、仮にドイツからの機械輸入が停止した場合、中国の製造業は大きな困難に直面し、同国経済の支柱である輸出に悪影響が出る、というのが調査レポートの見方だ。
\将来的には中国の技術力が向上するため、ドイツが生産財、中国が消費財を提供するという相互補完的な関係が崩れて競合関係が強くなってくる可能性が高く、ベルテルスマン財団は「ドイツ企業が中国で成功を続けるためには、技術的な優位を保ち中国の顧客に欠かせない存在であり続けなければならない」としている。
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