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2013/3/20

経済産業情報

自動車大手VWが中国でリコール

この記事の要約

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が中国でリコール(無料の回収・修理)を実施することが16日、分かった。対象となるのはダイレクトシフト・ギアボックス(DSG)を搭載したモデル。同社は自主的な措置だと強調しているもの […]

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)が中国でリコール(無料の回収・修理)を実施することが16日、分かった。対象となるのはダイレクトシフト・ギアボックス(DSG)を搭載したモデル。同社は自主的な措置だと強調しているものの、国営テレビ局の中国中央電視台(CCTV)は前日、中国国家質量監督検験検疫総局(AQSIQ)がVW製DSGの不具合を確認したと報じており、実質的にはリコールに追い込まれた格好だ。

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同DSGを搭載したモデルをめぐっては大きなノイズや振動、自動車の突然停止などの問題を訴える顧客の議論が昨年3月から、インターネット上で活発化。同社はこれを受けてDSGの品質保証期間を従来の2年(ないし走行6万キロ)から10年(走行16万キロ)へと大幅に引き上げたほか、希望する顧客に同製品を制御するソフトウエアの交換サービスを提供してきた。

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現地紙『第一財経日報』が昨年7月に報じたところによると、中国の消費者保護当局は6月19日、「品質上の欠陥は現時点で確認できない」とする文書をVWに通知。AQSIQもこれまでリコール命令を見合わせてきた。

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独『ハンデルスブラット』紙は、販売台数を急速に伸ばし消費者を軽視するようになったVWに対し政治当局の風当たりが強くなってきたことが、国営メディアが同社を批判的に報じた背景にあるとしている。

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