欧州経済の中心地ドイツに特化した
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2013/3/20

経済産業情報

長距離路線バス市場、競争激化へ

この記事の要約

欧州最大の長距離バス会社である英ナショナル・エクスプレスがドイツ市場に参入する。長距離路線バス市場が1月に完全自由化されたためで、「City2City」のブランド名で4月からまずミュンヘン、フランクフルト、ケルン、デュッ […]

欧州最大の長距離バス会社である英ナショナル・エクスプレスがドイツ市場に参入する。長距離路線バス市場が1月に完全自由化されたためで、「City2City」のブランド名で4月からまずミュンヘン、フランクフルト、ケルン、デュッセルドルフなど国内9都市を結ぶ路線で運行を開始する。参入企業はこれで6社目となり、顧客獲得をめぐる競争が激しくなりそうだ。

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ドイツでは1930年代に制定された連邦旅客輸送法(PBefG)によって、ドイツ鉄道(DB)による長距離路線バス市場の独占が事実上、認められていた。しかし、政府は旅客輸送市場の競争を促進するほか、自家用車の代わりに公共バスを利用する市民を増やし環境保護を強化する狙いから規制を緩和。改正法は今年1月に施行された。

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市場自由化にともない、これまでに大手企業Berlin Linien Bus(DB子会社)、Deutsche Touring/Eurolinesと、スタートアップ企業のMein Fernbus、Flixbus、Deinbusの計5社が参入を果たした。6社目となるナショナル・エクスプレスは年商20億ユーロの大企業。潤沢な資金に恵まれているうえ、英国、スペイン、北米で長距離路線バスを運行しノウハウを蓄積している。Deinbusの共同設立者であるクリスティアン・ヤニッシュ氏は『ハンデルスブラット』紙に対し、「新規参入した競合の何社かはすでに市場から駆逐された。我々もうかうかしていられない」と危機感を示した。

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