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2013/3/27

総合 - ドイツ経済ニュース

ニュース検索表示に著作権料、上院も法案可決

この記事の要約

州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)は22日、ニュース検索で表示した情報の著作権料を作成元の出版・新聞社に支払うことを、検索サービス事業者に義務づける法案を可決した。同法案はすでに連邦議会(下院)を通過しており、施 […]

州政府の代表で構成される連邦参議院(上院)は22日、ニュース検索で表示した情報の著作権料を作成元の出版・新聞社に支払うことを、検索サービス事業者に義務づける法案を可決した。同法案はすでに連邦議会(下院)を通過しており、施行されることが確実となった。

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法案が施行されると、検索事業者は著作権の保護対象となっている情報を表示する場合、作成元の出版・新聞社に著作権料を支払わなければならなくなる。与党は映画や音楽など他のメディアの著作権がネット上で保護されているのに対し、ニュース情報は保護されていないことを問題視して、法案を作成した。

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法案では当初、ニュース内容を表示した場合は表示した文章の長さにかかわらず著作権料の支払い義務が発生するとなっていたが、与党は下院での審議で修正を加え、個々の言葉やスニペット(検索語が含まれるテキストの抜き書き)については著作権料支払い義務の対象から外した。スニペットがないと情報検索の手間が大幅に増えて利用者が不利益を被るほか、出版・新聞社にとっても自社ホームページへのアクセスが減りマイナス効果が大きいと判断したためだ。

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ただ、この修正の結果、スニペットの長さがどの程度までなら著作権料支払いの対象にならないかが不明確となったため、法案施行後は出版・新聞社と検索事業者が法廷で争うケースが多数、出てくると予想される。

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野党はこうした点に懸念を示しながらも、連邦議会選挙が近く、両院協議会に持ち込んでも時間切れとなる公算が高いため、上院で法案に賛成票を投じた。連邦議会選挙後に法改正を目指す意向だ。

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