樹脂フィルム製造の独Treofan(ラウンハイム)が、西南ドイツのノイキルヒェンに新設した絶縁フィルム工場の生産能力拡張を視野に入れている。ペーター・ファンアッカー社長が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにした。
\同社は昨年、電気自動車向けのバッテリーなどに用いられる高性能絶縁フィルムの生産施設をノイキルヒェン工場内に設置した。投資額は1,000万ユーロ強で、生産能力は年2,000万平方メートル。供給先が増えれば第2、第3の生産施設を設置する意向で、将来的には同フィルム事業で売上全体の5~10%を確保するとしている。世界市場規模を5億平方メートルと見積もる。
\Treofanの売上高は約5億ユーロで、その大半を包装用フィルムが占めている。同社は中東系の化学メーカーが包装用フィルム市場で今後一段と勢力を増すと予想。付加価値の高い製品分野に軸足を移すことで成長を確保する方針だ。
\現在、インド企業の買収に向けて交渉を進めており、年内に結果が出る見通しという。欧州市場の成長率が今後、年1.3%にとどまるのに対し、インドは同11%強に上ると予想されており、経営陣は現地市場の開拓に意欲を示している。
\