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2013/3/27

経済産業情報

「スイス製」定義で議会が平行線、時計業界団体は経団連脱退を予告

この記事の要約

「スイス製(スイス・メイド)」の原産地表示をめぐり、スイスの全州院(上院)と国民院(下院)で対立が続いている。食品に関しては「原料の8割(重量ベース)以上が国産であること。国内で調達不可・困難な原料は例外扱い」とするとの […]

「スイス製(スイス・メイド)」の原産地表示をめぐり、スイスの全州院(上院)と国民院(下院)で対立が続いている。食品に関しては「原料の8割(重量ベース)以上が国産であること。国内で調達不可・困難な原料は例外扱い」とするとの案が両院で可決されたものの、工業製品については「生産コストの6割以上がスイス国内で発生」とする上院案に対し下院は「5割で十分」と主張。議論は平行線をたどっている。

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議論の背景にあるのは、スイス連邦政府が導入を目指している「スイスネス法」(09年内閣提出)だ。「スイス・メイド」と表記できるための条件を定め、スイス製品のブランド価値と競争力を高める狙いがある。

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スイスネス法については産業界でも賛否が分かれている。農業団体は両院合意を歓迎する一方、スイスに本拠を持つ食品世界最大手ネスレは「原産地表記は原料だけを問題にしており、製造方法やノウハウが全く考慮されていない」と批判している。

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また、「スイス製」をブランド力の支柱とする時計業界が工業製品に関する上院案を支持するのに対し、スイス経団連は5割にボーダーを下げるとする下院案を支持している。スイス時計工業連盟(FH)はこれに強く反発、13年末で経団連を脱退する方針を示している。

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