独最大手銀行のDeutsche Bank(フランクフルト)は4月29日、新株を発行し自己資本を28億ユーロ増強する計画を発表した。同行はこれまで市場から自己資本比率が低いと批判されてきた経緯がある。同時に発表した2013年1-3月期(第1四半期)決算が好調だったことから、これを増資の追い風に利用する計算だ。同行は今後1年以内に劣後債も20億ユーロ発行し、広義の自己資本も増強する。
\同行の狭義の中核自己資本比率は3月末時点で8.8%だった(昨年12月末時点は8.0%)。増資後はこれが9.5%に上昇。競合UBSの10.1%を下回るもののCitibank(同9.3%)、Goldman Sachs(9.0%)、JP Morgan Chase(8.9%)、Credit Suisse(8.6%)、Barclays(8.4%)を上回る。
\Deutsche Bankの1-3月期決算の最終損益は16億6,000万ユーロの黒字となり、前期の赤字(25億1,000万ユーロ)から大幅に改善した。昨年開始したコスト削減策が奏功した格好。リスク資産の圧縮に向けて昨秋設立したバッドバンクも収益力の強化に寄与した。
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