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2013/5/22

経済産業情報

老朽暖房の入れ替え進まず 最新式は全体の2割、更新は年3%止まり

この記事の要約

国内の暖房設備関連企業が加盟する家屋・エネルギー・環境技術に関するドイツ産業連合(BDH)と石油大手シェルなどが13日発表した住宅暖房設備に関する調査で、最新式の暖房設備を備える家屋が全体の2割に過ぎないことが明らかにな […]

国内の暖房設備関連企業が加盟する家屋・エネルギー・環境技術に関するドイツ産業連合(BDH)と石油大手シェルなどが13日発表した住宅暖房設備に関する調査で、最新式の暖房設備を備える家屋が全体の2割に過ぎないことが明らかになった。近代化される設備は年3%と少なく、省エネリフォーム助成などの促進策を講じなければ2030年には暖房設備の大半が30~40年前の旧式モデルで占められ、エネルギー効率改善などの政府目標は達成できない見通しだ。

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BDHとシェルの独法人、ハンブルク世界経済研究所(HWWI)が共同作成した報告書によると、国内に設置されている住宅暖房設備は2,130万台。そのうちガス・灯油を燃料とする設備が1,840万台(86%)と大部分を占める。

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設置から25年以上が経過している老朽モデルは270万台に上る。そのうち250万台が、新築住宅への設置が15年前の時点で禁止された低効率のガス・灯油ボイラーが占める。

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ドイツの住宅のエネルギー消費に占める暖房の割合は71%、給湯は14.5%に上る。このため、暖房効率の改善は省エネ化を推進するうえで極めて重要な役割を果たす。

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将来的には地熱や熱電併給(コジェネ)、ヒートポンプなど代替エネルギーの利用が拡大し、暖房エネルギー消費量に占めるその割合は現在の12.5%から30年には24%~31%に増加すると見込まれるものの、ガス・灯油暖房が主役であることに変わりはなく、現在の鈍いペースで暖房設備の入れ替えが進んだ場合、2030年の住宅エネルギー消費量は11年比で14.5%減少するにとどまる見通しだ。

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