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2013/5/29

総合 - ドイツ経済ニュース

独成長率予測を0.3%に下方修正=商工会議所

この記事の要約

ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は23日、2013年の独国内総生産(GDP)を従来予測の前年比実質0.7%増から同0.3%増へと引き下げた。第1四半期の成長率が鈍かったほか、会員企業を対象に実施した景況感調査で事業の現 […]

ドイツ商工会議所連合会(DIHK)は23日、2013年の独国内総生産(GDP)を従来予測の前年比実質0.7%増から同0.3%増へと引き下げた。第1四半期の成長率が鈍かったほか、会員企業を対象に実施した景況感調査で事業の現状判断が悪化したことを受けたもので、DIHKのマルティン・ヴァンスレーベン専務理事は「ドイツの景気回復は(これまでの予想よりも)後にずれ込む」との見方を示した。2014年については1%以上の成長を見込んでいる。

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DIHKは毎年3回、会員企業を対象に大規模な景気アンケート調査を行っており、今回は4月初旬から末にかけて実施。約2万4,000社から回答を得た。業種別の内訳は製造が29%、建設が7%、流通が22%、サービスが42%。

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事業の現状を「良い」とみる企業は32%と、依然として多いものの、1月の前回調査(同38%)に比べると6ポイント減少。「悪い」は前回の11%から15%に増加した。欧州経済の回復が遅れているうえ、冬の寒波が長期化したことが影響。事業の現状判断は特に、寒波のしわ寄せを強く受けた建設、交通、流通、消費者向けサービスの分野で悪化した。

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今後の事業見通しに関しては「良い」が前回の20%から25%に増えて2回連続で上昇した。「悪い」も18%から16%に減り、2回連続で低下している。すべての業界で改善。特に建設業で大きく上向いた。連邦統計局によると、同業界の1-3月期の売上高は寒波の影響で10%減の138億6,400万ユーロと大きく落ち込んでおり、今後はその反動で建設活動が活発化すると予想される。

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製造業の輸出見通しは「増える」が前回と同じ30%となった。キプロス危機とユーロ経済の低迷が反映された格好。

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欧州経済の先行き不透明感が続いておりことを受けて、企業は投資に慎重な姿勢を保っており、投資額を「増やす」は3回連続で23%となった。特に生産能力の拡張を控える動きが強い。欧州中央銀行(ECB)の金融緩和政策が今後も続き、事業資金を中期的に低金利で確保できる公算が高いことも投資の先延ばしを助長している。

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雇用計画に関しても「増やす」と「減らす」が3回連続で同じ水準となった(それぞれ15%、14%)。ただ、建設業では住宅需要が旺盛なうえ、長期化した冬の寒波の影響で受注残が増えているため、雇用拡大の動きが強い。

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DIHKによると、ドイツでは近年、実質賃金が上昇し続けているため、人件費の上昇を事業のリスク要因とみる企業が増えているという。

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