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2013/5/22

経済産業情報

老人施設評価のネット公表は「合法」=連邦社会裁

この記事の要約

最高裁の連邦社会裁判所(BSG)は16日、老人養護施設・介護サービスの評価結果をインターネットに公開することは合法との判断を示した(訴訟番号:B 3 P 5/12 R)。評価を担当する公的健康保険の医療サービス部門(MD […]

最高裁の連邦社会裁判所(BSG)は16日、老人養護施設・介護サービスの評価結果をインターネットに公開することは合法との判断を示した(訴訟番号:B 3 P 5/12 R)。評価を担当する公的健康保険の医療サービス部門(MDK)は今後も、介護施設・サービスの質に関する評価結果を公表できる。

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老人養護施設・介護サービスの評価制度は2009年に導入された。事業者に法的に義務づけられているサービスの質を審査・評価するもので、MDKが業務を担当する。

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要介護者を抱える家族からは質の良い施設・サービスを見つける手助けになると評価を受けている。だが、介護・福祉業界は「評価の方法に問題があり、実態を正しく反映していない」「低い評価が下れば死活問題」と強く反発している。

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今回の係争のきっかけとなったのは、ケルンのカトリック系介護機関が09年、MDKの評価中間報告書で3.3(1.0が最高。数字が増えるほど評価が低く、ぎりぎり合格ラインは4.0)の評価を受けたことだ。同介護機関はこれを受けて、「評価は不当」「利用者が減れば経営に行き詰り、基本法(憲法)で保障さられた職業の自由を侵害する」などとして、ネット公表制度の差し止めを求める裁判を起こした。

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BSGの裁判官は、「原告は公表された最終報告では1.1という非常に高い評価を受けている」と指摘したうえで、暫定的に受けた低い評価は一切公表されておらず、原告は何の損害も被っていない」と明言。訴えを全面的に退けた。

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