複合企業の独Thyssenkrupp(エッセン)は不採算のブラジル鉄鋼工場を現地の鉄鋼大手CSNに売却するもようだ。消息筋の情報としてロイター通信が5日、報じた。Thyssenkruppの広報担当者は交渉先の社名を伏せながらも「突っ込んだ話し合いがなされており、近日中に結果が出る」との見通しを示した。
\同社は2006年、ブラジルに粗鋼工場、米国に圧延工場をそれぞれ建設することを決定した。米工場ではブラジルで生産した粗鋼を自動車用の高級鋼材などに加工。NAFTA(北米自由貿易協定)圏で拡大する需要を取り込む意向だった。
\だが、ブラジルの通貨高と鉄鉱石価格の高騰を受けてブラジル工場は採算が悪化し、米国工場も事業が低迷。両工場の建設コストが当初見通しの30億ユーロから120億ユーロに膨らんだこともあり現在、売却手続きを進めている。
\米国工場の売却には時間がかかる見通しという。
\