独中堅プラントメーカーのKautex(ボン)がイラク国営製油会社のNRCから受注したポリタンク工場が今秋、操業を開始する見通しだ。Kautex関係者への取材をもとに11日付『南ドイツ新聞(SZ)』が報じた。
\同工場はバグダッドから約150キロ離れた地域にある。武装勢力のテロや誘拐が今もしばしば起きる危険地帯だ。
\NRCは2008年に工場の入札を開始し、Kautexは4年後に落札した。リスクが大きいのは分かっていた。だが、復興需要が旺盛なイラクで実績を積めば次の受注獲得につながるとの読みがあり、応札した。工場ではポリタンクを1時間当たり3,500個生産できる。
\投資リスクを軽減するため、ドイツ政府のヘルメス貿易保険を活用した。イラクは最もリスクが高い国に分類されているため、保険料は高かったものの、NRCから新たな受注を獲得できる見通しが高く、リスクは報われたという。
\SZ紙によると、イラク向け輸出の貿易保険料は受注高が100万ユーロの場合で約2万5,000ユーロに上る。保険のカバー対象となるのはそのうちの85万ユーロで、残り15万ユーロは自ら引き受けなければならない。ブラジルやロシアなど中リスク国向けの輸出では保険料が同9,000ユーロにとどまる。
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