自動車大手のダイムラーが従業員のメンタルヘルス対策に注力している。精神疾患が深刻化すると従業員が長期間、勤務できなくなり人件費がかさむためで、早期発見・早期治療に主眼を置く。同社の産業医などへの取材をもとに8日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。
\ダイムラーはシュツットガルトとジンデルフィンゲンにある2拠点でメンタルヘルスのケア体制を構築した。従業員が問診で例えば動悸やめまいなど体の不調を訴えた場合、産業医は精神的な要因による可能性もあると判断。従業員は必要があれば、提携する近隣の病院で14日以内に診察を受けられる。過去1年半で310人が利用、平均5.3時間の治療で改善がみられた。
\提携先病院の医師によると、外来治療を受ける同社社員の70%は男性で、移民も30%と多い。患者の職種は幅広く、生産ラインの作業員もいれば中間管理職もいる。社内の人間関係が原因となっているケースが目立つ。
\ダイムラーでは現在、ソーシャルカウンセラー22人がドイツ国内の従業員の相談に当っている。メンタルヘルスケア体制は今後、国内13拠点すべてに拡大する計画だ。
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