社員を新規採用する場合、通常6カ月の試用期間が設けられ、この間は理由の如何にかかわらず社員を解雇できる。これは解雇保護法(KSchG)1条に基づく決まりである。では派遣社員として6カ月以上、勤務していた者を正社員化した場合もこのルールが適用されるのだろうか。この問題をめぐる係争でニーダーザクセン州労働裁判所が4月に判決(訴訟番号:12 Sa 50/13)を下したので、ここで取り上げてみる。
\裁判は被告企業で生産管理プランニング業務に従事していた社員が起こしたもの。同社員は当初、派遣社員として勤務を開始したが、約7カ月後から正社員に引き上げられた。被告企業との労働契約には試用期間を6カ月とすることが明記されていた。
\被告は12月5月29日付の文書で、試用期間が終了する6月末日付で解雇することを原告に通告した。原告はこれに対し、派遣社員として勤務した期間が6カ月を超えており、正社員としての採用後に6カ月の試用期間を設けたのは不当だと主張。解雇無効を求めて提訴した。
\1審のブラウンシュヴァイク労働裁判所は原告の訴えを棄却し、2審のニーダーザクセン州労裁も1審判決を支持した。判決理由で裁判官は、原告が派遣社員として勤務していた期間は被告との間に雇用関係はなく被告は原告の顧客だったとして、両者の労働契約で6カ月の試用期間を設定したのは妥当だとの判断を示した。最高裁への上告は認めなかった。
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