バイオ医薬品の開発と製造を手がける独Trion Pharmaがミュンヘン区裁判所に会社更生手続きの適用を申請した。長年提携してきた総合医療大手Freseniusがバイオ医薬品子会社Fresenius Biotechを売却したことが引き金となった格好。Fresenius Biotechを買収したイスラエル企業NoepharmはTrionとの提携継続を望んでいないため、Trionは会社更生手続きを通して出資者を模索する意向だ。経済誌『ヴィルトシャフツボッヘ』が報じた。
\TrionはFresenius Biotechの協力を得てがんワクチン「Removab」を開発し、4年前に欧州販売の承認を得た。両社はその後も同薬の適用分野の拡大に向けて協働。良好な関係を保ってきた。
\だが、Freseniusから今夏にFresenius Biotechを買収したNeopharmはRemovabが自社の経営戦略に合致しないと判断。TrionはNeopharmの協力を得られないため、出資者探しを開始した。販売力のある投資家を求めている。
\同社の管財人によると、Removabは年商10億ユーロのいわゆる「ブロックバスター」に成長する可能性を秘めているという。
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