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2013/10/30

企業情報

PSA―GMとの提携縮小、中国メーカーとの出資交渉影響か―

この記事の要約

経営難の仏自動車大手PSA Peugeot Citroen(パリ)は23日、戦略提携する米General Motors(GM)との事業提携を従来計画よりも縮小する見通しを明らかにした。GM系ブランドのOpel/Vauxh […]

経営難の仏自動車大手PSA Peugeot Citroen(パリ)は23日、戦略提携する米General Motors(GM)との事業提携を従来計画よりも縮小する見通しを明らかにした。GM系ブランドのOpel/VauxhallとPSAの次世代小型車向けプラットフォームを共同開発するとした計画を再検討するとしており、同計画を白紙化するもようだ。PSAは財務の安定に向けて現在、中国メーカー東風汽車から出資を受ける方向で交渉しており、東風汽車への技術流出などを嫌ったGMがPSAとの協力関係に消極的になってきたとみられている。

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PSAとGMは昨年2月に包括提携した。製品開発、調達、物流分野で協働し、規模の効果で5年後に両社合わせて20億ドルのシナジー効果を実現するというもので、同年10月には(1)クロスオーバーSUV、(2)多目的小型車、(3)小型車、(4)中型車――の4分野でプラットフォームを共同開発することを取り決めた。両社が提携を打ち切る見通しとなったのは(3)。提携解消によりコスト削減の規模は当初の計画よりも縮小しそうだ。

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PSAは長期低迷する欧州市場への依存度が高く、業績不振が続いている。GMとの戦略提携はこれを受けた措置だが、効果が上がる前に財務が悪化。事業資金を確保するためにフランス政府と東風汽車を対象に増資を実施する。メディア報道によると、増資規模は約30億ユーロで、東風汽車と仏政府はそれぞれ50%引き受ける。この結果、両者の出資比率は各20~30%に達し、GMは現在の7%から低下する。

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