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2013/11/13

経済産業情報

情報保護強化策をIT業界が提言、国際的な規制の制定を要求

この記事の要約

米国家安全保障局(NSA)と英政府通信本部(GCHQ)による通信傍受問題を受けて、独IT業界が政府に情報保護対策の強化を求めている。独情報通信業界連盟(Bitkom)は6日発表したポジションペーパーのなかで、欧州連合(E […]

米国家安全保障局(NSA)と英政府通信本部(GCHQ)による通信傍受問題を受けて、独IT業界が政府に情報保護対策の強化を求めている。独情報通信業界連盟(Bitkom)は6日発表したポジションペーパーのなかで、欧州連合(EU)市民はEU内のどこにいても自国同様に個人情報が保護されねばならないとの見解を表明。国境を超えた国際的な情報保護規制の制定が必要として、政府に取り組みを要請した。

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Bitkomは情報保護の強化に向けて、テロ犯罪捜査などを目的とする盗聴や通話データ収集を憲法レベルで厳しく制限することを提案。また、各国の情報機関同士が行っている情報交換は、通信の秘密や個人情報の扱いに対する本人の同意といったドイツの情報保護規定を実質的に踏みにじるものだとして、禁止を求めた。さらに、産業スパイ対策として、国際協定を結び少なくとも当事国間で盗聴や秘密裏の監視は行わない代わりに、国境を越えた産業スパイ活動の疑いが浮上した際には「相互に全面的に協力しあう」体制づくりが必要との考えを示した。これが実現すれば、米国の情報機関が同国内で活動する欧州企業のデータを直接傍受したり監視することはできなくなるとしている。

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インターネット通信に関しては、国内のユーザー同士が国外のサーバーを経由せずにメールやデータを送受信できるようにする「ナショナル・ルーティング」、あるいは経由できる国外サーバーをシェンゲン協定加盟国に限定することを提案。データ伝送経路の透明性が確保できるほか、英国などデータ保護規定がドイツと異なる国を経由することでユーザーの個人情報が収集されるリスクを減らせるとしている。

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