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2013/11/27

経済産業情報

ドイツの病院、半数が赤字に

この記事の要約

病院の経営環境が厳しさを増している。ドイツ病院協会(DKG)が20日発表した国内業界動向調査によると、調査対象となった全国290の病院のうち2012年に赤字を計上したのは51%で、前年(31%)の1.6倍に拡大した。一方 […]

病院の経営環境が厳しさを増している。ドイツ病院協会(DKG)が20日発表した国内業界動向調査によると、調査対象となった全国290の病院のうち2012年に赤字を計上したのは51%で、前年(31%)の1.6倍に拡大した。一方、黒字の病院は55%から43%に減少、収支トントンは14%から7%に半減した。

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赤字病院の割合が最も高いのは病床数は50~299床の小規模病院で、65.5%に上った。300~599床の中規模病院は37.7%と比較的低く、600床以上の大規模病院は50.9%だった。

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11年に比べ収支が悪化した病院は57.4%に上り、改善した病院(22.9%)の2.5倍に達した。病床数別では、小規模病院の56.3%、中規模病院の56.9%、大規模病院の64.9%で悪化している。

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現在の経営状況についての判断では「どちらかと言えば悪い」との回答が52.9%に上り、「どちらかといえば良い」の12.6%を大きく上回った。来年(14年)の見通しでも「悪化すると思う」が38.6%で、「改善すると思う」は22.1%にとどまった。

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DKGのアルフレート・デンツァー会長は「病院の半数以上が赤字とすれば、病院の経営ではなく医療システムがおかしいのだと言わざるを得ない」と述べ、国の医療費削減政策を批判。12月に成立する見通しの次期政権に対し、病院経営環境の改善を重要テーマとするよう要求した。

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