電力価格の上昇が原因で、独製造業の空洞化がひそかに進んでいる――。ドイツ銀行は12月18日に発表したレポートでそんな警鐘を鳴らした。
\それによると、エネルギー集約型産業の独投資額が減価償却額を上回ったのは過去17年間で計2年に過ぎなかった。この結果、同産業の純設備資産は11%減少した。他の産業では同5%増加しており、電力価格の上昇が響いたことがうかがわれる。電力価格が今後もインフレ率を上回るスピードで上昇し続けると、売上高が年50億~160億ユーロ失われるという。
\レポートはまた、二酸化炭素(CO2)の大幅削減を目指すドイツの温暖化防止政策はグローバルレベルのCO2削減につながっていないとの見方を示した。ドイツのCO2排出削減は製造拠点の国外移転によって実現しているという側面があるためで、政府に対し国際的に歩調を合わせて排出削減に取り組むよう促した。
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