医薬品卸大手の米McKessonは23日、独同業のCelesioに対する2度目の株式公開買い付け(TOB)計画を発表した。前回はTOBの成立条件を満たさず失敗したが、今回は条件を付けていないうえ、すでに75%以上を確保していることから、買収成立は確実とみられる。
\McKessonは昨年10月、Celesio株を1株当たり現金23ユーロで取得する方針を表明した。計画公表の時点でCelesioの親会社Hanielから同株50.01%をすべて譲り受けることを取り決めていた。
\同TOBに対しては米ヘッジファンドElliottが横やりを入れたものの、McKessonが買い取り価格を50セント増の23.5ユーロに引き上げたことで両社の合意が成立。McKessonはTOBの成立条件とした株式75%以上の確保を達成できるとみられたが、実際には72.33%しか集まらず、買収計画は今月中旬、ひとまず失敗に終わった。
\McKessonはこれを受け、Haniel、Elliottと協議。HanielがElliotからCelesio株を取得し出資比率を75.99%に引き上げたうえで、その全量をMcKessonに譲渡することを取り決めた。McKessonは今後、他の株主を対象にTOBを実施する。買い取り価格は前回と同じ1株当たり23.5ユーロ。買収総額は債務の引き受けも含めて最大62億ユーロに上る。
\McKessonはすでにCelesioの転換社債を大量に取得しているため、TOBに応じる株主がいなくても出資比率は将来的にさらに上昇する見通しだ。Celesioとの間で支配・利益移転契約を結ぶことも計画している。
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