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2014/2/12

経済産業情報

欧州化学大手の半数が減益に

この記事の要約

独経済紙『ハンデルスブラット』のまとめによると、欧州の大手化学メーカー13社のうちシンジェンタなど6社で2012年の営業利益が減少した。特にランクセス(67%減)、ワッカー・ケミー(56%減)で落ち込みが激しい。2ケタ台 […]

独経済紙『ハンデルスブラット』のまとめによると、欧州の大手化学メーカー13社のうちシンジェンタなど6社で2012年の営業利益が減少した。特にランクセス(67%減)、ワッカー・ケミー(56%減)で落ち込みが激しい。2ケタ台の営業増益(EBITベース)を確保したのはメルク(82%増)、蘭DSM(23%増)など4社のみ。BASF、アクゾ・ノーベル、クラリアントは1ケタ台(4~6%)の増益にとどまった。

大手の半数近くが苦戦を余儀なくされたのは、欧州市場の低迷だけが原因ではない。シェール革命で米メーカーが原料・燃料価格の下落でコスト競争力を高めているほか、◇中国メーカーの生産能力が急拡大した◇円安の恩恵で日本メーカーの競争力が高まった――なども受けて、化学産業のグローバル競争が激化。欧州メーカーへの価格圧力が高まっているという。

合成ゴムの世界最大手ランクセスは主要顧客である自動車産業の低迷が直撃。ワッカー・ケミーは多結晶シリコン事業で顧客のソーラー業界の景気低迷が足かせとなった。最大手のBASFは顔料、製紙薬品事業で苦戦が続く。バイエルはポリカーボネート事業が抱える過剰生産能力が響いている。