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2014/2/26

経済産業情報

Eon: 英洋上風力発電パークの拡張工事を中止、野鳥の生態調査で

この記事の要約

エネルギー大手の独エーオンなどが参加するコンソーシアムは19日、テムズ川河口沖に風力発電パーク「ロンドン・アレイ」を建設するプロジェクトで、第2期工事を実施しないと発表した。建設予定地で英国王立鳥類保護協会(RSPB)が […]

エネルギー大手の独エーオンなどが参加するコンソーシアムは19日、テムズ川河口沖に風力発電パーク「ロンドン・アレイ」を建設するプロジェクトで、第2期工事を実施しないと発表した。建設予定地で英国王立鳥類保護協会(RSPB)が野鳥の生態調査を実施することを受けた措置。調査には少なくとも3年を要するうえ、3年後に着工できる保証もないため中止を余儀なくされた格好だ。第2期工事を予定する海域は水深が浅く工事の難度が高いことも中止決定の要因となった。

ロンドン・アレイはエーオン、デンマークのエネルギー大手Dong、アラブ首長国連邦の再生エネルギー開発会社Masdarからなるコンソーシアムが推進する世界最大の洋上風力発電パークで、当初計画では発電能力が1,000メガワット(MW)に設定されていた。第1期工事(630MW)は今年1月に終了。第2期工事では200MW拡張する予定だった。

RSPBは絶滅危惧種に指定されている海鳥アビの保護を目的とした環境アセスメント調査を実施する。

英国は沿岸海域の海底に起伏が少なく洋上風力発電パークの建設に適した場所とされてきた。だが、技術的な難しさが明らかになり建設費が高騰。独RWEやスコットランド電力(スペイン電力大手イベルドローラの傘下企業)が相次いで撤退を表明している。