北ドイツを基盤とするエネルギー大手EWE(オルデンブルク)は14日、独東部の天然ガス輸入・販売・輸送会社VNG Verbundnetz Gas AGの株式15.79%を石油・天然ガス採掘大手のWintershallから譲り受けることで合意したと発表した。VNGへの出資比率を現在の47.9%から63.69%に引き上げ子会社化する。取引金額は非公開。取引は独禁当局とVNGの株主総会の承認を経て成立する。
VNGはライプチヒに本社を置く企業で、EWE、Wintershallのほか、ライプチヒ、ドレスデン、エアフルト市が計25.8%、露Gazpromの独子会社Gazprom Germaniaが11.52%を出資している。EWEは以前から買収の機会をうかがっていたが、自治体サイドの警戒が強くチャンスがなかった。Wintershallが経営資源を採掘事業に絞り込むことを決定したため、VNG株を譲り受けることに成功した。
EWEの直近の売上高は約90億ユーロ、VNGは同110億ユーロ。合計すると200億ユーロとなり、スウェーデン系のVattenfallを抜いて独市場3位に浮上する。