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2014/4/16

企業情報

豊田通商―独スクラップ大手Scholzに約40%出資―

この記事の要約

豊田通商は10日、金属スクラップ世界2位の独Scholzに39.9%出資することで合意したと発表した。Scholzは経営破たんの危機に直面しており、資本注入により救済する格好となる。出資額は明らかにしていない。 Scho […]

豊田通商は10日、金属スクラップ世界2位の独Scholzに39.9%出資することで合意したと発表した。Scholzは経営破たんの危機に直面しており、資本注入により救済する格好となる。出資額は明らかにしていない。

Scholzは1872年創業の老舗企業で、使用済み自動車などから有用資源を回収する事業を手がけている。2013年の売上高は37億4,400万ユーロ、従業員数は7,000人強。サッカー・ブンデスリーガ2位のVfRアーレンのスポンサーを務める。

事業を急速に拡大したところ、金属スクラップ価格が大きく下落し経営が悪化した。昨年末時点で1,300万ユーロの債務超過に陥っている。有利子債務は11億ユーロに上っており、同社は周辺2事業(アルミニウム生産、工業用鋼)を年央までに売却し7ユーロに圧縮する意向だ。

Scholzの資本はすべて創業家が持っている。豊田通商が資本参加すると、同家の出資比率は60.1%に低下する。

豊田通商は中期経営計画のなかで「リサイクル事業の世界展開」を掲げており、Scholzへの出資により、リサイクリングの先進地域である欧州の技術や仕組みにアクセスできるようになる。Scholzの取締役会には役員を派遣する予定だ。両社は2008年からポーランドでリサイクリングの合弁会社Green Metalsを運営している。

取引の成立には債権者の同意や当局の承認が必要。メディア報道によると、主要銀行は豊田通商の資本参加を承認する方向という。