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2014/4/16

経済産業情報

スマート・インダストリーの効果大、主要6産業の成長率を年1.7%押し上げ

この記事の要約

独情報通信業界連盟(Bitkom)は7日、情報通信技術を駆使したインテリジェントな生産システム(スマート・インダストリー)の経済効果に関する調査結果を発表した。スマート・インダストリーによる生産性向上で国内主要6産業(化 […]

独情報通信業界連盟(Bitkom)は7日、情報通信技術を駆使したインテリジェントな生産システム(スマート・インダストリー)の経済効果に関する調査結果を発表した。スマート・インダストリーによる生産性向上で国内主要6産業(化学、自動車、機械、電機、農林業、情報通信)の成長率押し上げ効果は年平均1.7%に上り、生み出される付加価値は13年の3433億ユーロから2025年には4,221億ユーロに拡大するとしている。

同調査はフラウンホーファー労働経済・組織研究所(IAO)がBitkomの委託を受けて実施したもので、スマート・インダストリーによって特に高い経済効果が得られる産業は機械、電機、化学の3つだと指摘。成長率の押し上げ効果は年平均2.2%で、生み出される付加価値は機械で13年の768億ユーロから25年には1.3倍の998億ユーロに拡大する。電機と化学もそれぞれ、403億ユーロから524億ユーロ(1.3倍)、401億ユーロから521億ユーロ(1.29倍)に増える見通しだ。

一方、自動車産業の成長率押し上げ効果は年平均1.5%で、情報通信と農林業もそれぞれ同1.2%と、やや低い。

スマート・インダストリーはドイツ連邦政府が進める「ハイテク戦略2020」のプロジェクトの1つ。生産、エネルギー供給、顧客(デジタル・マーケットプレイス)をシームレスにつなぐインテリジェントネットワークの実現を目指す。18世紀後半の蒸気機関、20世紀初頭のベルトコンベア、1970年代のオートメーション化に次ぐ“第4次産業革命”をイメージしており、「インダストリー4.0」とも呼ばれている。