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2014/4/16

ゲシェフトフューラーの豆知識

フラッシュモブ型ストは合憲=憲法裁

この記事の要約

サービス労組のVerdiが小売店を対象に行った「フラッシュモブ」型のストをめぐる係争で労働問題の最高裁である連邦労働裁判所(BAG)が合法判決を下したことは、2009年9月30日号掲載の本コラムですでにお伝えした。この判 […]

サービス労組のVerdiが小売店を対象に行った「フラッシュモブ」型のストをめぐる係争で労働問題の最高裁である連邦労働裁判所(BAG)が合法判決を下したことは、2009年9月30日号掲載の本コラムですでにお伝えした。この判決を不服としてベルリン・ブランデンブルク地区小売業界連盟が起こした違憲訴訟で、連邦憲法裁判所(BVerfG)が3月に判断を示したので、ここで取り上げてみる。

フラッシュモブとはインターネットや携帯電話を介して不特定多数の人が特定の時間に特定の場所に集合し、事前に取り決めた行動を行うことを指す。Verdiは2007年12月、小売業界のストでこれを初めて活用、小売店の営業を妨害する活動を展開した。具体的にはフラッシュモブの参加者に◇小額商品を持ってレジに長い行列を作らせ、レジ機能を麻痺させる◇ショッピングカートに大量の商品を入れたうえで店内に放置する――行動を行うよう呼びかけた。

参加者およそ50人はカート約40台に少額商品を山のように詰め込んで放置した。各種メディアの報道によると、参加者の1人は総額371.78ユーロの少額商品をレジで打たせた後で、「財布を家に忘れてきた」と言い業務を妨害したという。

これに対しブランデンブルク・ベルリン地区小売業連盟は、フラッシュモブの結果(1)同活動の対象となった店舗で勤務していた従業員の「人間の尊厳」が傷つけられた(2)小売店の所有権も侵害された――として、Verdiを相手取って民事訴訟を起こしたが、敗訴した。

判決理由でBAGの裁判官は、労働争議の手段を自由に選ぶことを保証した基本法(憲法)9条3項の規定を指摘。抗議活動の標的となった雇用主が自衛手段を持たない場合を除きフラッシュモブ型の争議活動は認められるとの判断を示した。係争の対象となったケースに関しては、雇用主は◇家屋不可侵権(Hausrecht)を行使してフラッシュモブ参加者に店外退去を命じることができた◇一時的に閉店することもできた――として、自衛手段を持っていたとの認識を示した。

これを不服として原告は違憲訴訟を起こしたものの、連邦憲法裁は訴えを破棄した。決定理由で裁判官は、基本法9条3条では労働争議の手段をストライキやロックアウトなどの伝統的なものに限定していないと指摘。相当性の原則に反しない限り、労組は争議手段を自由に選択できるとの見解を示した。

■■ 相当性の原則 ■■

目的を達成するためにはそれに見合った妥当な手段を用いなければならないという原則。行き過ぎた行動はこの原則に抵触する。ドイツ語ではGrundsatz der Verhaeltnismaessigkeit