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2014/6/4

経済産業情報

5月の乗用車新車登録5.2%増に、社用車がけん引

この記事の要約

ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した2014年5月の乗用車新車登録台数は27万4,804台となり、前年同月を5.2%上回った。増加は2カ月ぶり。自家用車は5.0%減と振るわなかったものの、全体の6割以上を占める社用車 […]

ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した2014年5月の乗用車新車登録台数は27万4,804台となり、前年同月を5.2%上回った。増加は2カ月ぶり。自家用車は5.0%減と振るわなかったものの、全体の6割以上を占める社用車が12.3%増えて、全体が強く押し上げられた格好だ。1~5月の新車登録台数は126万654台で、前年同期から3.4%増加した。

好景気を受けて企業が設備投資を拡大していることが大きい。デュースブルク・エッセン大学自動車研究センター(CAR)のフェルディナント・ドゥーデンフェファー所長がロイター通信に述べたところによると、買い手未定の車両をディーラーが自ら陸運局に登録して取扱ブランドの新車登録台数を膨らます措置(いわゆるTageszulassung)も反映されたもようだ。これらの車両は新古車として大幅割引で販売されることから、ディーラーは今後、一般消費者の需要喚起に投入するとみられる。

5月の新車登録で増加幅が最も大きかった部門は大型車で、前年同月を33.9%上回った。SUVも30.1%増えている。販売量が最も多いのはコンパクトクラスで、全体の26.1%を占めた。電気駆動車の登録台数は138.3%増の934台、ハイブリッド車は25.6%増の2,687台。走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均134.3グラムで、2.5%減少した。

日本車は全般的に振るわず

伸び率が最も大きかったブランドはジープで、84.6%増の757台に拡大した。これに日産(36.6%増の4,682台)、ルノー(32.5%増の8,883台)、ボルボ(29.6%増の3,063台)が続く。

ドイツ車ではポルシェが11.0%増の2,458台に拡大。オペル(9.0%増の2万1,026台)、アウディ(5.1%増の2万4,163台)、フォード(4.3%増の2万399台)、フォルクスワーゲン(2.4%増の5万7,959台)も前年同月を上回った。メルセデスは0.5%減の2万4,327台、BMWは4.8%減の2万248台、スマートは12.3%減の1,990台、ミニは15.8%減の2,585台と振るわなかった。

日産以外の日本車では、マツダ(26.7%増の4,523台)とトヨタ(9.1%増の6,121台)が増加。ホンダ(2.4%減の2,071台)、三菱(3.4%減の1,986台)、スズキ(16.7%減の1,999台)、スバル(27.8%減の434台)、レクサス(36.1%減の78台)は落ち込んだ。

日本車以外の主な輸入ブランドは欧州市場からの撤退を決めたシボレー(84.6%減の354台)と、起亜(14.7%減の4,299台)以外、すべて増加した。各ブランドの実績はシュコダが22.6%増の1万5,884台、シトロエンが22.2%増の5,098台、ダチアが16.9%増の4,903台、セアトが15.9%増の9,111台、ランドローバーが15.0%増の1,383台、フィアットが9.6%増の7,798台、ジャガーが8.4%増の401台、現代が7.0%増の8,632台、プジョーが0.8%増の5,422台だった。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した5月の国内乗車生産台数は前年同月比12%増の48万600台に拡大した。国内需要が堅調なほか、西欧向けの輸出が回復していることが大きく、輸出台数は17%増の37万3,400台に達した。1~5月の累計では国内生産が前年同期比8%増の245万2,900台、輸出が10%増の190万1,700台だった。