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2014/6/11

企業情報

Heidelberger Druckmaschinen AG―ラベル印刷機メーカー買収―

この記事の要約

印刷機械大手の独Heidelberger Druckmaschinen(ハイデルベルク)は10日、スイスの同業Gallus Holdingへの出資比率をこれまでの30%から100%に引き上げ完全子会社化すると発表した。ラ […]

印刷機械大手の独Heidelberger Druckmaschinen(ハイデルベルク)は10日、スイスの同業Gallus Holdingへの出資比率をこれまでの30%から100%に引き上げ完全子会社化すると発表した。ラベル用のデジタル印刷機事業を強化する狙い。Gallusのオーナーであるフェルディナント・リュエシュ氏から株式70%を譲り受ける。

リュエシュ氏に対しては100万ユーロのケタ台の現金のほか、新株を最大2,300万株、提供する。同株の価格は最低2.70ユーロで、総額6,200万ユーロ強となる。増資手続きは独禁当局の承認を経て7月に終了する見通し。リュエシュ氏はHeidelbergerの株式を約9%取得。安定株主となる意向だ。

Gallusは1923年の設立で、従業員数は約500人、昨年の売上高は約1億8,800万スイスフラン。Heidelbergerは1999年、同社に資本参加し、協力関係を築いてきた。今回の完全買収により、関係を緊密化。今秋にも新たなデジタルラベル印刷機を市場投入する意向だ。

Heidelbergerはカタログやポスターなどの大量印刷に適した枚葉印刷機に強い。少量印刷に適したデジタル印刷機分野では競合に後れを取っており、富士フイルム、リコーとの提携などを通して競争力の強化に取り組んでいる。