独2位銀行Commerzbank(フランクフルト)の買収を、フランス同業のSociete Generale(SocGen)とスペイン同業のSantanderが検討しているとの観測が浮上している。スイスの経済誌『ビランツ』が報じたもので、SocGenはすでにドイツ政府が持つCommerzbank株17%の取得に向けて予備交渉を行ったという。SocGenは6日、報道内容を否定するコメントを発表した。
Commerzbankは2009年、国から総額180億ユーロの支援を受けた。現在も17%の出資を受けている。
国はCommerzbank株を平均25.88ユーロで取得した。現在の時価は11.80ユーロに低下しており、売却すると25億ユーロの損失を計上することになる。このため、現時点で保有株を放出する考えはないという。
SocGenやSantanderといった欧州の銀行がCommerzbankの買収を検討しているという観測が浮上する背景には、◇Commerzbankの株価が低迷している◇欧州最大の経済規模を持ち経済も堅調なドイツで事業を拡大できる◇低迷する自国市場への依存度を引き下げられる――という事情があるためだ。Commerzbankの中小企業事業と顧客預金も魅力が大きい。