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2014/6/18

企業情報

Trumpf GmbH + Co. KG―医療機器事業を米Hill-Romに売却―

この記事の要約

工作機械大手の独Trumpf(ディッチンゲン)は16日、医療機器事業を米国の医療機器メーカーHill-Romに売却することで合意したと発表した。同事業はTrumpfの他事業とのシナジー効果が小さいうえ、再編が進む当該市場 […]

工作機械大手の独Trumpf(ディッチンゲン)は16日、医療機器事業を米国の医療機器メーカーHill-Romに売却することで合意したと発表した。同事業はTrumpfの他事業とのシナジー効果が小さいうえ、再編が進む当該市場で長期的に生き残るためには事業規模を拡大する必要があるため、売却先を模索していた。取引金額は1億8,500万ユーロ強。同社は売却益で純債務をゼロとする意向だ。売却手続きは独禁当局の審査を経て第3四半期に終了する見通し。

医療機器事業の売上高は昨年1億8,400万ユーロだった。同社全体の売上高(23億ユーロ)に占める割合は8%程度にとどまる。

Hill-Romは売上高が17億ドル。Trumpfに対しては、独東部のザールフェルト、同南部のプーフハイムにある医療機器工場と関連の国外子会社を従業員も含めて譲り受けることを申し出ていた。Trumpfはこの点を高く評価。同事業の買収にHill-Romよりも高い金額を提示する企業があったものの、Hill-Romへの売却を決めた。

Trumpfは医療機器分野で、手術・集中治療向けシステムソリューションを提供。医療用ベッドや患者用リフトを手がけるHill-Romとは事業の補完性が高い。

Trumpfは1994年、電機メーカーHuettingerの買収に伴い医療機器事業に参入した。その後、買収を通して同事業の規模を拡大したものの、経営資源を再び工作機械、レーザー分野に絞り込むことを決めた。