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2014/7/2

経済産業情報

小売業の万引き被害、13年は33億ユーロに

この記事の要約

独小売研究所(EHI)が6月25日に発表した独小売業界の万引被害実態調査によると、2013年に発生した棚卸差異(帳簿在庫と棚卸在庫の差)は販売価格ベースで39億ユーロに達した。在庫の差異率(売上高全体に対する比率)は1. […]

独小売研究所(EHI)が6月25日に発表した独小売業界の万引被害実態調査によると、2013年に発生した棚卸差異(帳簿在庫と棚卸在庫の差)は販売価格ベースで39億ユーロに達した。在庫の差異率(売上高全体に対する比率)は1.01%に上る。

棚卸差異の内訳(推定)は、客の万引きが21億ユーロ、店員による無断持ち帰り(内引き)が9億ユーロ、納入業者・サービス業者の不正が3億ユーロと、窃盗によるものがほとんどを占める。事務処理ミスも6億ユーロと多い。

小売事業者が万引き防止(監視カメラ、警備員、防犯ゲート、防犯タグなど)に投じる費用は計13億ユーロに上り、棚卸差異と合わせた店側の負担・損失は売上高に対する比率が1.3%に上る。また、万引きした商品の代金が支払われなかったことで、国が逸失した付加価値税収入は4億5,000万ユーロに上る。

連邦内務省の犯罪統計によると、13年の万引き認知件数は35万6,152件だが、認知件数(およびその被害額)と店側の実際の損害を突き合わせると、万引きのうち統計に表れるのは約2%にすぎない。棚卸で初めて発覚する万引きは1日当たり8万5,000件で、商品1点当たり被害額は80ユーロに上る。

万引き被害にあいやすい商品は、食品小売店では香水、化粧品、髭剃の替刃、タバコ製品など、小さくて高価な商品だ。衣料品店では高級ブランド品、眼鏡、バッグ、アクセサリーなど、家電販売店では記憶媒体、ゲーム用ソフト、スマートフォン、LED照明器具が狙われる。