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2014/7/16

企業情報

カールシュタット―「店舗の大幅削減が不可避」=監査役会長―

この記事の要約

独デパート大手カールシュタットの経営が厳しい状況に置かれている。シュテファン・ファンダール監査役会長が『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙に明らかにしたもので、全店舗83カ所のうち20カ所以上の閉鎖が避けられな […]

独デパート大手カールシュタットの経営が厳しい状況に置かれている。シュテファン・ファンダール監査役会長が『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙に明らかにしたもので、全店舗83カ所のうち20カ所以上の閉鎖が避けられない見通しだ。エッセン本社の管理部門と物流分野でもリストラが必要だとしている。

カールシュタットは2009年に経営破たんし、現オーナーのニコラス・ベルグラン氏が10年秋に象徴的な1ユーロで買収した。その後、業績改善に向けて店舗改装などの投資を行ってきたものの、成果が上がっていない。12年9月通期の最終赤字は1億5,800万ユーロとなり、前期の2,081万ユーロから大幅に拡大。13年9月期も赤字を計上したもようだ。

経営再建の切り札と目されていたエヴァロッタ・シェーステット社長が7日に即日付けで辞任したことは大きな痛手となっている。同社長は辞任表明の際、「詳細な検討、過去数カ月間の(社長としての)経験、経済的な枠組みデータの正確な把握の結果、私が目指す(経営再建の)道の前提はもはやないと断言せざるを得ない」と明言した。

ベルグラン氏は昨年、経営再建資金をねん出するため、カールシュタットのスポーツ用品部門と高級デパート部門をオーストリアの投資会社シグナに3億ユーロで譲渡した。シグナはカールシュタット本体の買収にも関心を示してきたが、FAZ紙によると、危機的な状況にある現在のカールシュタットを取得する考えはないという。