ドイツ連邦統計局が7月30日発表した同月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比0.8%増となり、2010年2月以降で最低の上げ幅を記録した。エネルギー価格が1.5%低下したことが最大の押し下げ要因。前月比の変動率はプラス0.3%だった。
エネルギー価格の下げ幅(前年同月比)はこれまで狭まる傾向にあり、2月の2.7%から6月には0.3%まで縮小していたが、7月は大幅な拡大に転じた。
その影響もあり、物品価格の上昇率は前月の0.3%から0.1%に低下した。サービスは同1.5%と比較的高い水準を保っている。
10年2月のインフレ率は0.5%だった。当時はリーマンショックをきっかけとする金融・経済危機の影響が強かったという事情がある。
欧州連合(EU)基準の7月の消費者物価指数は前年同月比が0.8%増、前月比が0.3%増だった。
一方、EU 統計局ユーロスタットが31日発表した同月のユーロ圏の消費者物価指数(速報値)は前年同月比0.4%増となり、上げ幅は前月の0.5%から0.1ポイント縮小した。これは09年10月以来の低水準。景気回復の足取りが重く、物価が上がりにくい状況が続いている。