欧州航空宇宙大手のエアバス・グループ(蘭ライデン)が、ティッセンクルップと共同出資する潜水艦用電子機器の合弁会社、アトラス・エレクトロニクからの撤退を検討しているとの観測が浮上している。独日刊紙『ヴェルト』が22日付で報じたもので、保有する同合弁の資本49%を売却する可能性があるという。エアバスとティッセンクルップはコメントを控えている。
アトラス・エレクトロニクは独ブレーメンに本社を置く企業で、従業員数は2,000人。昨年の売上高は前年比0.7%増の4億4,100万ユーロだった。
エアバスとティッセンクルップは2006年、同社を英BAEシステムズから2億1,700万ユーロで買収した。ティッセンクルップは51%を出資し、経営権を持つ。
ヴェルト紙によると、エアバスが同合弁からの撤退を検討するのは、本業の航空機事業と直接、関連がないため。エアバスのトーマス・エンダース社長がすべてを自ら仕切るタイプで、合弁の少数出資者に甘んじられない性格だという事情もあるという。