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2014/9/3

経済産業情報

人民元決済センター、フランクフルトに開設

この記事の要約

中国人民元の決済センターが8月26日、独金融都市フランクフルトに開設された。早ければ9月末、遅くとも11月に業務を開始する。同センターを運営する中国銀行は同日、同決済業務でドイツ銀行と提携することを取り決めた。 独連邦銀 […]

中国人民元の決済センターが8月26日、独金融都市フランクフルトに開設された。早ければ9月末、遅くとも11月に業務を開始する。同センターを運営する中国銀行は同日、同決済業務でドイツ銀行と提携することを取り決めた。

独連邦銀行(中銀)と中国人民銀行(同)は3月、フランクフルトを人民元の決済センターにすることで合意した。決済センターの開設はこれを受けたもので、ドイツ企業の対中輸出に弾みがつくと期待されている。

中国銀行はシーメンスやフォルクスワーゲン(VW)などドイツの大手企業と取引関係にあり、こうした顧客企業は同行を通して人民元の決済をフランクフルトで行えるようになる。ただ、人民元の決済サービスを手がけるドイツの銀行が増えれば増えるほど、フランクフルト市場の人民元決済規模が拡大するため、中国銀行は今回、ドイツ銀と提携した。今後、コメルツ銀行など他の銀行とも同様の取り決めを行うもようだ。

独連銀の関係者が経済誌『ファイナンス・マガチン』に明らかにしたところによると、将来的には人民元の決済業務を一手に引き受ける機関(クリアリングハウス)をフランクフルトに設立。ドイツで事業を展開する銀行が出資して同決済業務を行えるようにする計画だ。その際、中国銀行はフランクフルトの人民元決済業務を同クリアリングハウスに移管することを義務づけられる。

人民元で取引するドイツ企業はこれまで、上海や香港市場で決済しなければならなかった。このため、多くの企業はユーロないしドルで取引してきた。今後はフランクフルトでも決済できるようになるため、人民元での取引が増える可能性がある。