独バイオ企業エボテック(ハンブルク)は9日、イスラエルの同業アンドロメダ・バイオテックから今年、入金予定のマイルストーン340万ユーロを取得できない恐れがあると発表した。アンドロメダとは現在、協議しているものの、取得不能となった場合、今年の営業利益(EBITDA、調整済み)で前年実績(1,040万ユーロ)を確保するとした予測の下方修正が避けられなくなる。
問題となっているのはエボテックがアンドロメダに売却した糖尿病治療薬「DiaPep277」のマイルストーン収入。同薬は現在、臨床試験の最終段階であるフェーズ3に達しており、エボテックは開発の進捗に応じたマイルストーンの支払いを受ける権利がある。
だが、アンドロメダを先ごろ買収した米ハイペリオン・セラピューティクスが8日、アンドロメダの社員が同薬の開発データをねつ造したとして、開発中止の方針を打ち出したため、エボテックはマイルストーンを受け取れなくなる恐れが出ている。