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2014/9/17

企業情報

ロケット・インターネット―年内IPOへ―

この記事の要約

出資対象をネットビジネス分野のスタートアップ企業に絞った独投資会社ロケット・インターネット(ベルリン)は10日、株式公開(IPO)計画を発表した。市場資金を事業の拡張に充てる考えで、年内にもフランクフルト証券取引所のエン […]

出資対象をネットビジネス分野のスタートアップ企業に絞った独投資会社ロケット・インターネット(ベルリン)は10日、株式公開(IPO)計画を発表した。市場資金を事業の拡張に充てる考えで、年内にもフランクフルト証券取引所のエントリー・スタンダードで株式市場にデビューする考えだ。同社が38.2%出資するネット通販大手のツァランドも年内上場の方針を3日に表明している。

ロケット・インターネットはベルリンに拠点を置く2007年設立の企業で、50以上に企業に出資している。売上高は推定30億ユーロで、メディア報道によると、巨額の赤字を抱えているもようだ。同社の有力出資者であるオリファー・ザムヴァー氏は『南ドイツ新聞』に「現時点で利益は求めていない」と明言した。

ロケット・インターネットは新株を発行して市場資金7億5,000万ユーロを獲得する考え。これは同社の時価(43億ユーロ)の約17%に相当する額で、経営陣はラテンアメリカ、アフリカ、アジア事業などの拡大に充てる意向だ。ザムヴァー氏は『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に「100以上の国に適用できる独自の事業モデルを開発した」として、グローバル化の成功に自信を示した。

ロケット・インターネットの筆頭株主は同氏を含むザムヴァー3兄弟の投資会社グローバル・ファウンダーズで、出資比率は52%強に上る。このほか、スウェーデンの投資会社キンネヴィクが18.3%、独電気通信大手のユナイテッド・インターネットが10%強をそれぞれ出資する。既存株主はIPOから最低1年間、保有株を売却しないことを取り決めた。