語学教材大手の米ロゼッタストーンが教材などに黄色地のデザインを採用しているのは商標権の侵害に当たるとして、黄色をブランドカラーとするドイツの出版社ランゲンシャイト(Langenscheidt)が同色の使用中止と損害賠償の支払いを求めていた係争で、ドイツの最高裁である連邦司法裁判所(BGH)は18日、原告勝訴を言い渡した。判決理由で裁判官は、ロゼッタストーンの商品はランゲンシャイトの商品と外見上、極めて似通っており、消費者がと勘違いする恐れがあるとの判断を示した。
ランゲンシャイトは150年以上の歴史を持つ語学出版社で、辞書などを出版している。同社の書籍には1956年以降、黄色地にブルーの「L」文字が記されており、ドイツでは知名度が高い。2010年には黄色を同社ブランドとして商標登録した。
ロゼッタストーンの教材には黄色地の上に「Rosetta Stone」と書かれた黒文字と、ブルーのシンボルマーク(エジプトで18世紀末に発見された石碑「ロゼッタストーン」)が添えられている。今後はドイツで販売する教材などに黄色地を使うことができなくなる。
ドイツポストや全ドイツ自動車クラブ(ADAC)も黄色を商標登録しているものの、語学事業を展開していないため、ランゲンシャイトは裁判で争う考えがない。