ドイツ連邦統計局が9日発表した2014年8月の輸出高(暫定値)は営業日数・季節要因調整後の実質で前月比5.8%減の926億ユーロに縮小し、5年半ぶりの大幅下落となった。今年は夏休みを8月に設定する州が多かったほか、欧州連合(EU)がロシア向け制裁を同月1日付で強化したことが響いた格好だ。名目ベースの輸出高は前年同月比1.0%減の841億ユーロで、4カ月ぶりに1年前の水準を下回った。
輸入高(名目)は前年同月比2.4%減の700億ユーロで、貿易黒字は前年同月の133億ユーロから141億ユーロに増加。経常黒字も79億ユーロから103億ユーロに拡大した。
輸出高(同)を仕向け先地域別でみると、EU域外向けが4.7%減と足を強く引っ張った。ユーロ圏向けは0.4%増で、EUのユーロ非加盟国向けは4.5%の伸びを記録した。
輸入もEU域外からが6.3%減少した。EUのユーロ非加盟国からは1.3%減で、ユーロ圏からは0.7%増加した。
1~8月の輸出高(同)は前年同期比2.8%増の7,436億ユーロ、同輸入高は1.8%増の6,066億ユーロで、貿易黒字は1,274億ユーロから1,370億ユーロに拡大。経常黒字も1,126億ユーロから1,261億ユーロに伸びた。輸出入ともにEUのユーロ非加盟国との取引が全体をけん引し、EU域外との取引は輸出が0.1%、輸入が1.3%の幅でそれぞれ減少した。ユーロ圏は輸出が同2.5%増、輸入が3.5%増だった。