高級車大手の独ダイムラー(シュツットガルト)がイタリアの高級オートバイメーカー、MVアグスタに出資するとの観測が浮上している。ミラノの金融筋の情報として21日付『南ドイツ新聞(SZ)』が報じたもので、交渉は11月初旬にも成立する見通しという。ダイムラーの競合アウディも2012年に高級オートバイ製造の伊ドゥカティを買収しており、独高級車2社はオートバイ事業に相次いで参入することになる。ダイムラーは報道内容へのコメントを控えている。
SZ紙によると、ダイムラーはMVアグスタに約25%出資する方向。取引金額はおよそ3,000万ユーロで、その一部はMVアグスタの投資資金に回る。ダイムラーは将来的に出資比率を引き上げるオプション権も獲得するという。
MVアグスタのジョバンニ・カスティリオーニ社長は昨年SZ紙のインタビューで、事業拡大に向けて株式公開する可能性を示していた。同社は事業の国際化を推し進めたい考え。ダイムラーの出資を受ければ、米国やアジアの販売網を強化できるメリットがある。
ダイムラーにとって同社への出資はブランドイメージや技術面でメリットがあるという。