欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2014/10/22

経済産業情報

バッテンフォールが独に損賠請求、原発廃止で

この記事の要約

スウェーデンの国営エネルギー会社バッテンフォールがドイツ政府を国際仲裁裁判所に提訴した。独ガブリエル経済相が連邦議会(下院)の経済委員会で行った発言として野党・左翼党が15日、明らかにしたもので、47億ユーロの支払いを請 […]

スウェーデンの国営エネルギー会社バッテンフォールがドイツ政府を国際仲裁裁判所に提訴した。独ガブリエル経済相が連邦議会(下院)の経済委員会で行った発言として野党・左翼党が15日、明らかにしたもので、47億ユーロの支払いを請求している。

独政府は2011年の福島原発事故を受けて、国内原発の全廃時期を従来計画の2040年ごろから22年末へと大幅に前倒しした。バッテンフォールはこれにより、独北部で運営するクリュンメル、ブルンスビュッテル両原発の運転中止に追いやられた。

原発全廃の前倒しに対しては同社とエーオン、RWEの3社が基本法(憲法)で保障された所有権の侵害に当たるとして、連邦憲法裁判所に違憲訴訟を起こしている。同裁の判決は出ていないが、バッテンフォールは独政府の行為が投資保護に関する国際協定に違反するとして、ワシントンの国際投資紛争解決センター(ICSID)に提訴した。