独小売大手ダグラス・ホールディング(ハーゲン)の親会社アル・ビューティ(Al Beauty)は27日、同ホールディング傘下の時計・宝飾品販売チェーン、クリストを投資会社3iに売却することで合意したと発表した。経営資源を絞り込む戦略の一環とみられる。取引の成立には独禁当局の承認が必要。取引金額は公表していない。
アル・ビューティは投資会社アドベント・インターナショナルとダグラスの創業家(クレーケ家)の合弁会社。2012年から13年にかけて、ダグラスの株式公開買い付け(TOB)とスクイズアウト(他の株主からの強制的な株式買い上げ)を実施し、同ホールディングを完全傘下に収めた。
アル・ビューティは同ホールディングの経営資源を香水販売チェーン「ダグラス」に絞り込む方針とみられ、3月には菓子販売チェーンのフッセルを投資会社に譲渡した。婦人服販売チェーンのアッペルラート・キュッパースも売りに出している。クリストを放出すると、ダグラス・ホールディングの傘下には香水チェーンのダグラスと書籍販売チェーンのタリアが手元に残ることになるが、タリアについても年内に売却するとの観測がある。
アル・ビューティは来年にも香水販売に特化した同ホールディングの新規株式公開(IPO)を実施するというのが市場の見方だ。