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2014/11/5

総合 - ドイツ経済ニュース

石炭発電所の強制停止も、CO2削減目標達成に向け政府が検討

この記事の要約

バーバラ・ヘンドリックス連邦環境相は3日、ドイツの二酸化炭素(CO2)排出削減目標を達成するには国内の石炭・褐炭発電能力を引き下げざるを得ないとの見方を示した。現状では削減目標を実現できないとみており、石炭・褐炭発電所の […]

バーバラ・ヘンドリックス連邦環境相は3日、ドイツの二酸化炭素(CO2)排出削減目標を達成するには国内の石炭・褐炭発電能力を引き下げざるを得ないとの見方を示した。現状では削減目標を実現できないとみており、石炭・褐炭発電所の稼働を部分的に停止させる考えだ。CO2目標を堅持することにより、12月に開催される国連気候変動枠組み条約第20回締約国会議(COP20)で他国に排出削減努力を促す狙いもあるとみられる。

ドイツ政府はCO2排出量を2020年までに1990年比で40%圧縮する目標を掲げている。現状では20年時点の削減率が同約33%にとどまる見通しのため、不足分のおよそ7ポイントを穴埋めする必要がある。

ドイツでは再生可能エネルギーの利用が拡大しているものの、CO2排出量が他の電源に比べて多い石炭・褐炭発電の量も増加している。燃料コストが割高な天然ガス発電に比べて電力の価格競争力が高いためだ。石炭・褐炭で発電された電力の多くは輸出されており、これがドイツの40%目標に大きな影を落としているという。

石炭・褐炭発電所の稼働停止を補償金の支給を通して実現するのか、それともCO2排出に関する新たな規制を通して実現するのかは未定。ロイター通信によると、政府は排出削減目標の達成に向けて建造物の暖房効率向上や製造業の省エネ強化も視野に入れているもようだ。